窓をたくさんつけると後悔する?現場で感じる“窓の落とし穴”

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お家づくりの打ち合わせでは、「明るい家にしたい」「風通しをよくしたい」といった理由で、 「できるだけ窓を多くしたい」というご要望をよくいただきます。

窓は採光や通風、外観デザインに欠かせない大事な要素です。 ですが、現場でいろんなお家を見ていると、窓を増やしすぎて後悔されるケースも少なくありません。 今日は、そんな“窓をたくさん作ることのデメリット”を、現場の視点からお話しします。

 

①断熱性能が下がる

家の中で一番熱が出入りするのは窓です。

どんなに壁の断熱材をしっかり入れても、窓が多いとそこから熱が逃げてしまいます。

冬は「暖房をつけても足元が冷える」、 夏は「西日で部屋が暑い」など、 体感温度に大きく影響してきます。

最近は樹脂サッシやLow-Eガラスなど性能の高い窓もありますが、 **“数が多い”=“熱の出入り口が多い”**という点は変わりません。

光熱費にも関わる部分なので、バランスが大切です。

 

②プライバシーの確保が難しくなる

大きな窓をたくさんつけると、どうしても外からの視線が入りやすくなります。

打ち合わせのときは「明るくて開放的に!」と思っていても、 実際に住み始めると「レースカーテンを閉めっぱなし」ということも。

特に隣家との距離が近い住宅地では、窓の高さや位置の検討がとても重要です。 小さな高窓でも採光は十分取れますし、視線を避けつつ明るさを確保できます。

 

 ③家具の配置に困る

これは実際の現場でよく聞くお話です。

「この壁にも窓をつけたい」と希望される方は多いのですが、 いざ家具を置く段階になると「テレビが置けない」「収納棚が入らない」など、 窓のせいでレイアウトの自由度が下がってしまうことがあります。

設計段階で家具の配置までイメージしておくと、後から困らずに済みます。

 

 ➃掃除やメンテナンスが大変

窓が増えるほど、掃除の手間も増えます。 特に吹き抜けや高い位置の窓は、簡単に届かないので 「結局ほとんど開けない」「汚れっぱなし」になりがちです。

また、年数が経つとサッシや網戸のメンテナンスも必要になります。

“飾り窓”のように使わない窓をたくさんつけるより、 「よく使う窓をしっかり選ぶ」方が、長い目で見ると快適です。

 

 ⑤耐震性・防犯性への影響

構造の面でも、窓を多くつけすぎると耐力壁(家を支える壁)が減るため、 耐震性に影響が出る場合があります。

また、窓が多い分、侵入経路が増える=防犯リスクも上がるという点も見逃せません。

最近は防犯ガラスやシャッター付きサッシなども増えていますが、 設計の段階で全体バランスを考えることが大切です。

 

まとめ

窓は“多さ”より“バランス”が大事

窓をたくさんつければ明るく開放的になりますが、 断熱・プライバシー・家具配置・メンテナンスなど、さまざまな面で注意が必要です。

わたしたち現場としては、 「ただ多くつける」よりも、**“必要な場所に、必要な大きさで”**つけることをおすすめしています。

たとえば、 南面には日射を取り込む大きめの窓 、北面にはやわらかい光を入れる小窓、 隣家側には視線を避ける高窓やすりガラス、 といったように、目的に合わせた配置がポイントです。

 

 現場からのひとこと

実際に建ててみて「この窓、いらなかったかも…」というお施主様は意外と多いです。

逆に、「ここに小さな窓をつけて正解だった!」という声もたくさん。 “窓の数”よりも“光と風の通り方”を意識して設計することで、 一年を通して快適に過ごせる住まいになります。

いかがでしたでしょうか?お家づくりで大切な「窓」。お家づくりの参考になれば幸いです。良いお家づくりとなりますように!